映画『ドクター・スリープ』はおもしろい?怖い?40年後のダニーは今…【ネタバレなし・感想】

ドクター・スリープ(Doctor Sleep)レビュー|アイキャッチ画像 映画・エンタメ

映画を観て原作を読んだマツリカが、『ドクター・スリープ』をネタバレなしでまとめました。

  • ドクター・スリープの怖さレベル
  • 言葉・表現の持つ力
  • SFファンタジー…自分に合う?

大人になったダニーの再生の物語を見届けましょう。

「シャイニング」の“40年後”を描く「ドクター・スリープ(Doctor Sleep)」。

ホラーというよりはSFを観てる気分に近くなる作品です。

ユアン・マクレガー演じる「ダニー」が主人公であり、シャイニングの続編。
トラウマを抱えたまま大人になったダニーが、トラウマを乗り越えるまでの物語です。

シャイニングと同じテンションで観始めると肩透かしをくらいます。

基本情報

【映画】

公開2019年11月29日
配信U-NEXT(見放題)
Amazonプライムビデオ(レンタル・購入)
監督マイク・フラナガン
ジャンルホラー
キャストダン(ダニー)・トランス / ユアン・マクレガー
アブラ・ストーン / カイリー・カラン
ローズ・ザ・ハット / レベッカ・ファーガソン

【原作】

著者スティーヴン・キング
発行年月日2013年9月24日
マツリカ
マツリカ

シャイニングを観賞したら、やっぱりドクター・スリープも観なければ!

【関連記事】ダニーがトラウマを抱えることになった原因がここにある!「シャイニング」のネタバレなし感想は、こちら

40年前のオーバールック・ホテルでの体験がトラウマになっているダニーは、それ以来人を避けるようにして生きてきた。

周囲で子どもを狙った事件が多発しており、ダニーは不思議な力「シャイニング」を通じ、事件を目撃したという少女アブラと出会う。

その出会いは、「シャイニング」を持つ子どもを狙う集団”真結族”との出会いにつながる。

原作とは別物になってしまった「シャイニング」の続編です。
ホラー感は少し薄いかもしれませんが、完成度は高いのではないかと思います。

シャイニングと同じテンションで観てはいけない

シャイニングを観た時のようなテンションでドクター・スリープを観始めましたら、アレェ?ってなります。

ホラーではなく、SFファンタジーを観てる気分に近く、怖さはシャイニングの方が圧倒的に上です。

相手がホテルじゃなくなったからなのか、シャイニング合戦みたいなことになるからなのか。
一部の描写以外はホラー感がなく、私のようなビビりでも問題なく観ることができます。

原作との違いとマイク・フラナガンの手腕

ドクター・スリープの原作も、映画を観たあとに読みました。
映画のシャイニングが原作とはかけはなれたものになっておりましたが、ドクター・スリープも所々違いました。

原作だとダニーとアブラの母が異母姉妹だったり、映画には登場しなかったアブラの曾祖母が登場したりしますが、さほど大きな問題は生じません。

でも、アブラの曾祖母は原作だと重要な人物です。
気になる方は原作もチェックしてみてください。

映画と原作を比べた時、結末は原作の方がハッピーエンド感がありました。
シャイニングが結末まで変えてしまったので、しかたなかったのかもしれません。

シャイニングで本来ジャックが成し遂げるはずだったことをダニーが成し遂げたということになるのではないかと、個人的には思っています。

あれだけ変更されたシャイニングを、マイク・フラナガンはかなり原作に近くなるよう軌道修正しています。

「トラウマと再生」

恐怖の記憶、父への恐れ、そして孤独。
ダニーはトラウマを抱えたまま大人になりました。

父ジャックと同じ道を辿るという“負の連鎖”が起きています。

しかし、ダニーは“シャイニング”を人を救うための力として使うのです。

そして出会った少女アブラと、疑似的な父子関係を築く。
かつては守られる側だった子どもが、守る側になるのです。

ダニーは過去を再訪し、逃げずに向き合いました。
父とは違った道を選び、“負の連鎖”を断ち切ったことでダニーは再生を遂げたのです。

  • ホラー感がない
    ジャンルは「ホラー」ですが、シャイニングを持つ者同士がぶつかると、超能力合戦に見える。

一見するとSFファンタジーですが、映像の作り込みはすごいし、話の軸はブレていないので「ホラー」だと思わずに観ることをおすすめします。

  • 原作と違う
    シャイニングも原作とは「別物」と言われることが多いですが、本作も原作と違う。

「映画」の続編として完璧、「原作」に忠実に作ってほしかった、という賛否が分かれるポイントです。
原作者のスティーヴン・キングは、本作を気に入っているようです。

上述していますが、結果こそ違えど、マイク・フラナガンは「映画」の原作を描きながらも「原作」へ寄せることにも成功していると感じます。

「ただ眠るだけでいいのです。」

命の終わり(旅立ち)が近い人を安心させるため、“シャイニング”を使ってダニーが語りかけるのです。

本作を観たのは我がセガレが5~6歳の頃です。
様々な“概念”を子どもながらに理解できるようになってきた頃で、旅立つことへの漠然とした不安を口にすることが増えていたんです。

どう説明したらいいかと思っていた時に、このダニーの言葉を借りました。

「眠ることと同じで、目が覚めたら新しい自分になっているんだよ」
こう説明してみたところ、それ以来、不安を訴えてくることはなくなりました。

表現の持つ力、そしてスティーヴン・キングという作家の深さを心からすごいと思った瞬間です。

なんとシャイニングで「ダニー」を演じたダニー・ロイドが、カメオ出演しています。
エンドクレジットに名前が記載されているので、カメオじゃないけどカメオです。

そんなダニー・ロイドの現在は、大学で生物学の教授をしているそうです。

★こんな人に合うかも!

  • 前作「シャイニング」を観た
  • 怖すぎる作品は観られない
  • 再生物語が好き

★こんな人には合わないかも…

  • もっと怖い作品が好き
  • 原作と違う物語が好きじゃない
  • 現実的な設定が好き

ドクター・スリープはシャイニングを観たことがなくても楽しめる映画ですが、繋がりはあるのでシャイニングも観ておくとさらに楽しめます。

2つとも映画は映画で面白いですが、個人的には原作がもっとおすすめです。

活字嫌いな私ですが、スティーヴン・キングの作品だけは何作か読みました。
今のところ活字はキングの作品しか読んでいませんが、「本を読め」と言われる意味が分かる気がします。

文字だけで伝えるという難しさを、秀逸な表現で理解しやすい文章を書く作家、すごい。
腑に落ちる表現がたくさんあって素晴らしいです。
本を読んで語彙力を養う。
大事。

キングならではの表現力やストーリー、キャラクターの描写も丁寧です。
映画では拾いきれなかった”真結族”や能力の設定にも深みがあります。

ドクター・スリープもシャイニングも原作を読むとより一層楽しめます。

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