ぼくらの/散々すぎる鬱漫画:ネタバレなし感想

漫画・アニメ

ジアースってどういう原理で立ってんの?

【「きみたち、ゲームやってみない?」

ココペリと名乗る怪しい男との出会いから始まる15人の少年少女が背負わされた運命

地球を襲う15体の敵巨大ロボットを操縦して倒すという、少年達の心をくすぐる内容。
しかしその実態はとてもじゃないけどゲームとは呼べない酷なものだった。】

作者:鬼頭莫宏
小学館、月刊IKKIにて2004年1月号~2009年8月号まで連載。
IKKI COMIXにて単行本化、全11巻。

・アニメ
2007年4月~9月、全24話。

ノリとゴリ押しのエントリー

ルールの詳細を聞くことなく、戸惑う子もいるなか深く考えず「面白そう」ってだけで後先考えずにエントリーしちゃう子ども達がリアル。

なんたって巨大ロボを操縦できるんですからね。

ガンダムとかエヴァンゲリオンとか、1度は乗りたいとか動かしたいとか思ったことがあると思うのです。
Gとかどうなっちゃってるのかなって、漫画や映画やアニメみるたびに気になったりするけども。

子ども達が搭乗することになるジアースですが、デザインが斬新。胴体部分に対して爪楊枝みたいな足。重力に逆らい放題です。どういう原理で立ってるのかが気になって仕方ない。

重たすぎる運命

ただのロボットものではなく、子ども達の心情や葛藤を中心に描かれた作品です。

個人個人の色々な感情があって考え方があって。最初にエントリーするまでの反応や、ジアースに乗ることで突きつけられた残酷な真実。その後の過ごし方などの子ども達一人ひとりの視点で語られる心理描写が丁寧。

それぞれに背景があり、様々な性格の子ども達。
明るくムードメーカーな子でも他人に見せない「何か」があったり、強く見える子でも恐れがあったり。

子ども達が運命をどう受け入れていくのか、読み応えたっぷり。

キャラクター

全ての視点から語られるこの作品にはどのパートも刺さるものがあって、全員主人公といえるのかもしれないですね。最初はワクが主人公なのかなと思ったのですが、最終的にウシロかカナなのかなとも思う。けど、全員なのかも。

カナが、大人を超越している。ウシロに対する振る舞いが刺さる。血のつながりがないから故の振る舞い。
大人にできないことを小学生の子どもがそこまで考えるんだ。…カナ、本当に小学生なのでしょうか?

漫画とは別物。

前半こそ原作にやや忠実でしたが、後半は完全なるオリジナルストーリー。もちろん結末も全然違う。漫画が完結する前にアニメが追い越してしまったから。

私はアニメから入り、全話観賞後に漫画を読みましたが違いすぎてビックリです。

アニメの方がほんの1ミリ程度救われてる気がする。

全部が可哀想なので鬱漫画が好きじゃない方にはおすすめできない作品です。

漫画とアニメならやっぱり原作である漫画がおすすめ。
漫画もアニメも観てないし読んでないならもちろん、アニメは観たけどマンガは読んでない場合にもぜひ!

鬱々してしまうかもしれませんが、日々目の前のものを大事にしながら生きていこうと思えるかもしれない漫画。

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