ギフトピア【ネタバレなし感想】/不思議でポップな怖い島で、大人になるための方法を探す。

大人になるとサンタさんが来ないんですよ、そんな悲しい大人になるためのゲーム。

【季節外れの台風の中、ナナシ島の住民たちはポックルの「大人式」を行うために準備をしていた。

肝心のポックルが寝坊したため大人式を行うことができず、村長のメイヤーに「反逆罪であーる」ポックルは牢屋に入れられてしまった。

再大人式を行うための費用500万マネを用意することをメイヤーと約束し、牢を出るポックル。

しかしジギーには大人式なんぞせんでも大人になれると言われ、夢で出会った精れいちゃんにはみんなのネガイを叶えることで大人になれると言われる。

500万貯めるかネガイを叶えるか、ポックルが大人になるための方法を探す。】

2003年4月25日、ニンテンドーゲームキューブ用に発売。

MOON」を生み出した『ラブデリック』から独立したゲーム制作会社『スキップ』の第1作目。

・ハラヘリ
画面右上にハートで表示される。

単位は「カロリ」、ハート1つごとに200カロリ。
行動していると自動的にハラが減り、ハラが減るほどに移動速度が遅くなる。食品を食べることで回復するが、ハートがゼロになった場合はポックルが餓死してしまいゲームオーバーになる。

イベントをクリアするなどして入手したハートを食べると最大値が増える。最大10個。

・食品
ハートを回復させるアイテム

食品ごとに回復力が異なる。ウエストバッグに入れて持ち歩くこともできるが腐る食品もあり、腐った食品を食べると本来の回復量分のハラが減る。

・ネムケ
ゲーム内で時間が流れており、時間によって住民の行動や行くことができる場所が変化する。その場に停止すると画面左上に時計が表示されるため、時間を確認することが可能。

ポックルの活動できる時間が決まっており、残り2時間になると「ネムイ精霊」が出現。タイムアウトになる前に家のベッドで眠ることができないと、ネムイ精霊に捕まってしまう。捕まると所持金が半分になる上、消費アイテムの大半を失うことになる。

ネガイをかなえてレベルが上がるごとに起きていられる時間が延びる。

・物を人に見せる
ウエストバッグにしまってあるアイテムを取り出して手に持つことができ、持った状態で住民に話しかけると様々な反応が返ってくる。

バッグに収納できるアイテムは256個。

・規則
島には複数の「規則」があり、違反すると1万マネの罰金を科せられる。払うまで足枷を付けられ、囚人服で過ごさなければならない。

・ネガイ玉
神社で「オソナエ」をして「ネガイ玉」を入手。住民のネガイを叶えて「カナエ玉」にしたものを石造に奉納。

深さがありながらも不思議で怖い世界観

新しいスタイルである”アンチRPG”「moon」を生み出した会社が制作したゲーム。

今作のギフトピアは「500万」か「ネガイ」のどちらかの道に進んでいきますが、「大人になるとはどういうこと」なのか「大人とはなんなのか」を問いかけられます。

現在私は子どもから見れば「大人」ではありますが、自分が子どもの頃に思い描いてような「大人」とはかけ離れています。でも責任が重くなったことは実感しています。

世界観や雰囲気はとてもポップ。ポップなのにこのゲームのスタートは囚人服を着て足枷を付けられ、それでいて顔にモザイクがかかっています。ストーリー中にも何度か牢屋にぶち込まれます。

ルールを破れば罰金、制限、注意、ちょっとしたことで罪人になる規則に厳しすぎる怖い島です。

ネガイ玉を一定数奉納することでレベルが上がるのですが、夢でしか会えない精れいちゃんが時に深い感じのセリフを放ってきます。ただ、夢の中のポックルの行動の意味がわからなくて軽く怖い。

不思議すぎるちょっと怖い世界です。そんな世界でもエプロンとマドロスの話なんかはうっかり泣けてしまったりする。

キャラクターの魅力

好き嫌いが分かれそうなデザインですが、みんな個性的です。おネェのピービーがお気に入り。ピービーのお宅へお邪魔すると毎回エクササイズしている美意識の高いおネェです。あてられてる声もマッチしていますし、可愛い。

主人公ポックルですが、リア充です。キャッピーという可愛らしい彼女がいるのですが、毎日話しかけないといけません。話しかけないと翌日家を出ると「昨日はあいさつなかったヨ」と、それだけを言うために家の前で待っています。

怒られるわけじゃないですが、なかなか恐怖ですね。でもキャッピーに話しかけておけば次に何をするのかだいたいわかるので、できる彼女です。

ミニゲーム

エグいです。

ぞうさんロデオなんて何回やれば景品をもらえるのか。頑張って頑張ってやっとカップラーメン1個もらいました。意地になってやっと1位をとりましたが、後半であっさりとチビタに記録を塗り替えられるという切なさでした。

ハートのために坂すべりも何度もトライしました。金髪になりながら、何度目かでやっと達成しました。集中が一気に消し飛ぶ茶娘ロボの応援がすごくいらないです。

マルチエンディング

3通りのエンディングがあります。

・契約
・500万
・ネガイ

どれをとるかは自分次第です。
私はネガイを叶えて大人になるエンディングを選択。他の2つはYouTubeで観てきてしまいました。

ポップな中に不思議な怖さを持ち、それでもゆったりと時間が流れているこの作品。

のびのびやるには最適です。ただ、放置しすぎると何をするのか忘れてしまうので、ほどよくのんびりやるのがいいかもしれません。

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