友情・絆・感情にフォーカスされた、スタンドバイミーのホラー版と言われることが多い作品です。
グロ描写やピエロが苦手だとキツイかもしれない。
キング作品にハマった私はペニーワイズを観ることを決めた。
ということで、「IT (イット)”それ”が視えたら、終わり。」を観ました。
テレビミニシリーズは観ていないのですが、2017年、2019年に公開された映画と原作小説(スティーヴン・キング著)を読みました。
イット:ざくっとあらすじ
■chapter1
【メイン州デリーに住む兄弟、ビル・デンブロウは弟のジョージにワックスを塗った濡れても沈まない紙の船を作ってやった。
ジョージはそれを持って雨の中遊びに出かける。
水に流されていく船を追いかけてジョージは走るが、雨水管に船が落ちてしまった。
ジョージが雨水管を覗き込むと、片手に風船、片手に船を持ったペニーワイズがそこにいた。
船を返してほしいジョージは、差し出された船を受け取ろうと手を伸ばす。
ペニーワイズの顔が恐ろしく歪み、ジョージは片腕を引きちぎられそのまま雨水管に引きずり込まれてしまった。】
■chapter2
【デリーではまた子どもが殺される事件が多発していた。
デリーに残ったマイクが6人に電話をかけ、招集。
6人にはデリーでの記憶が全く残っていなかったが、マイクからの電話で27年前に交わされた誓いを思い出す。
当時奇跡的に生き延びた子ども達が大人になり、ペニーワイズを倒すために再び故郷へと戻ってきた。】
公開時期
1990年(日本1991年)に2回に分けてテレビミニシリーズが放送され、20017年にリメイクされた。
- 映画「IT/イット ”それ”が視えたら、終わり。」
・2017年 chapter1
・2019年 chapter2
- 監督
アンディ・ムスキエティ
- キャスト
- ビル・デンブロウ / ジェイデン・リーバハー
- ジョージ・デンブロウ / ジャクソン・ロバート・スコット
- ベン・ハンスコム / ジェレミー・レイ・テイラー
- リッチィ・トージア / フィン・ウルフハード
- べバリー・マーシュ / ソフィア・リリス
- スタンリー・ユリス / ワイアレット・オレフ
- マイク・ハンロン / チョーズン・ジェイコブス
- エディ・カスプブラク / ジャック・ディラン・グレイザー
- ペニーワイズ / ビル・スカルスガルド
- 原作
1986年 著:スティーヴン・キング
個人的感想
思ったほど怖くない
ペニーワイズのデザイン的に、ピエロ恐怖症だと半端なくキツイ映画です。
私は幸いピエロは平気なので問題なく観賞できました。
あとはグロいのが苦手だとキツイかと。
グロさレベルは、時にSAWくらい生々しかったりします。
グロは平気だけどホラーは無理な私でも、これくらいであれば映画館の大スクリーンでITを観ても大丈夫だったと思います。
ビックリ演出にはちゃんとビクッとしましたが、笑えちゃうシーンも盛り込まれていて全然ホラーホラーしていません。
世間の感想は結構極端に分かれるようです。
完全なるホラー映画だと思っていると肩透かしをくらってしまいます。
スタンドバイミーのホラー版という意見が多かったです。
確かにホラーよりは友情、絆や様々な感情の部分にフォーカスされていますね。
そもそもこの作品はただホラーなだけではなく、ただペニーワイズを倒すだけではない。
子ども達が自身のトラウマと向き合い、子どもにしか姿が見えないペニーワイズと呼ばれている「IT」に飲み込まれないよう成長しなければならないのです。
7人それぞれ事情を抱えています。
リッチィだけチャプター1では濁されていましたが、全員が団結してペニーワイズに立ち向かう。お年頃の男女の青春など、良いと思います。
ただ、チャプター2のラストがいまいち腑に落ちないというかペニーワイズへの攻撃方法がなんだかよくわかりませんでした。
もはやただのいじめです。
素を撮影・裏話
撮影時まで子ども達はペニーワイズと会わせず、ぶっつけ本番で初対面を果たしたそうです。
「もうほぼ演技じゃなく、本気で怖がってたかも」と、ベンを演じたジェレミー・レイ・テイラーがインタビューで語っていました。
そしてこのペニーワイズ。
ペニーワイズは本作の恐怖の象徴であり、メイクも2時間半以上かかったそうです。
さらに恐怖を煽るのが焦点があっていない外側に向いた”目”ですが、なんとこれCGなどは一切使われておらず、ペニーワイズを演じたビル・スカルスガルド本人によるものなのです。
すごすぎる。
それと余談ですが、スティーヴン・キングがカメオ出演しております。
ビルにシルヴァー(自転車)を売っていました。
原作・小説
スティーヴン・キングの原作小説は文庫4冊。
我が家にあるのはどうやって読んでも肩と首が疲れるハードカバーの大判2冊です。
映画を観終わってからITの小説を読みました。
映画は子ども時代と大人時代とで分けられていますが、小説は子どもと大人を行ったり来たりです。
小説だと大人になったビルはハゲです。
衝撃でした。
映画だとスレンダーな髪フサフサのイケメンですからね。
「禿げた頭に光が反射…」とか「彼はもうただのでぶの子どもではない」とか、表現がまっすぐです。
「でぶの子ども」はベンのことなのですが、大人になったベンは痩せました。
映画のチャプター2で痩せたことについて多少触れられておりましたが、どうしてそんなに痩せたのかちょっとした疑問が残ります。
小説だとここまで痩せるまでの経緯がしっかり説明されています。
映画で語られなかった話も小説には全て詰まっております。
デリーの歴史も細かく説明があって理解が深まる。
マイクの父が昔話をしてくれますし、なんと“ハロラン”が登場します。
同じ名前の別人なのかと思っていたのですが、軍隊の中でご飯を作るんです。
「シャイニング」と「ドクター・スリープ」でおなじみの、あのハロランで確定です。
そもそも”ディック・ハローラン”てフルネームで登場している。
昔話のちょっとだけの登場でしたが、個人的にハロランが好きなのでちょっと心が躍りました。
〆る:絆が熱い物語
ホラーが苦手な私でも正面から観賞できるレベルです。
なのでピエロとグロ描写が平気であれば、相当な怖がりでも観られる作品。
小説は読みだしたら止まらないし、映画は映画で面白い。
この長編作品を映画2作分に収めたのは素晴らしいと思いますが、映画は原作を改変している部分も多々あります。
文章と映像で2度おいしいこの作品もおすすめ。
キングの作品はどれも面白いです。
