漫画『葬送のフリーレン』はおもしろい?ヒンメルが動かすエルフの“淡泊な心”【ネタバレなし・感想】

葬送のフリーレン(レビュー)|アイキャッチ画像 漫画・アニメ

【この記事でわかること】

  • 葬送のフリーレンの魅力と気になる点
  • 作品の楽しみ方

重大なネタバレはしません

勇者一行が魔王を倒した“その後”を描く、後日譚ファンタジー作品です。

すべてが腑に落ちる丁寧な描写が魅力な「葬送のフリーレン」。

魔法の仕組みや役職の存在意義など、設定のひとつひとつに理由が用意されています。
王道のバトル漫画とは違い、“旅”を経て成長と関わり方の変化を楽しむ作品です。

1000年以上の寿命を持つエルフのフリーレンは、人間との時間の感覚が大きく異なります。
しかし、ヒンメルとの別れが、フリーレンを変えるのです。

2020年 22/23合併号~、少年サンデーコミックスで連載されている既刊15巻の作品です。

2023年にはアニメ第1期、2026年には第2期が配信されました。

マツリカ
マツリカ

ありそうでなかった“RPGの後日譚”的な作品
想像以上の面白さです。

★こんな人に合うかも!

  • きちんと理由がついた作品が好き
  • ゆるやかに流れる作風が好き
  • 魔法使いが主役の作品が好き

★こんな人には合わないかも…

  • 派手なアクションを求めている
  • テンポの速いファンタジーを求めている
  • 魔法の仕組みなどを理解するのが面倒

「魔王討伐後日譚」…RPGのその後の物語のような設定に惹かれて読み始めました。

魔王はもう討伐されているけれど、それをどのように展開していくのか興味がありました。

リアリティがありますね。

魔法の設定や魔族と敵対する理由しかり、
魔王を倒して終わりではなく、もちろん残党がいる。

地続きの平和と脅威が描かれていて、リアルながらもファンタジーです。

そしてデンケンおじいちゃんですが!
一見気難しそうな彼ですが、誰よりも愛情深く誠実で、根性もある最高にかっこいいじいさんなんです。

しかも実力も本物で、意外な師弟関係も明かされるという隙のなさ。

こんなおじいちゃん、欲しかったです。

ゆったりした時間が流れる感覚で展開される物語です。

敵対する魔族が、なぜ討伐対象となるのか、魔法の原理はなんなのか、そんな説明がすべて詰まった作品です。

人を知ることとは、生き様を記憶すること

なぜ、寄り道だらけの旅にこれほどハマるのか。
それは、この作品が描く「記憶」のあり方が秀逸なのです。

フリーレンがオレオールを目指すのは、ヒンメルとの出会いと別れがきっかけです。

ヒンメルは各地に銅像を残しています。
長寿のフリーレンが、将来ひとりぼっちにならないためです。

自分の「生き様」を誰かの「記憶」に残すことは、この世界から自分がいなくなっても、覚えていてくれる誰かの中で生き続けることになります。

彼の生きた証「生き様」がフリーレンの記憶に刻まれることで、彼の想いはフリーレンと一緒に生き続けるのです。

この記憶とともに旅をした末に辿り着くオレオールで、フリーレンはどんな話をするんでしょう。
楽しみですね。

“クセが強い”勇者パーティ

名前種族役職
フリーレンエルフ魔法使い
ヒンメル人間勇者
ハイター人間僧侶
アイゼンドワーフ戦士
フェルン人間魔法使い
シュタルク人間戦士

勇者一行「フリーレン・ヒンメル・ハイター・アイゼン」

1000年以上の寿命があるフリーレンは人間と感覚が違うため、何事もマイペースであり何事も淡泊気味。

ヒンメルを見送った時、「知ろうとしてこなかったことに後悔」したフリーレン。

物語が進むにつれて、徐々に情に厚くなってきている様子が見受けられます。
誕生日を気にしたり、機嫌を伺ったり。

ヒンメルがまた、もう回想でしか登場しませんが、言うこと全てが名言で存在感がデカいこと。

イケメンは言うこともイケメンで、ただ爽やかなだけではなく自らをイケメンだと認めていて、ちゃんとふざけられるキャラなのも魅力。

年老いたヒンメルは誰よりも縮んでおりましたが、どのようにしてあんなにも縮んだのかが気になります。
ハイターは縮んでないのに…。

僧侶のくせに酒豪のハイター
“生臭坊主”と言われながらも、時々口にする真面目なセリフは聖職者ならではですし、やっぱり徳が高いのでしょうか。

エルフほど長寿ではないにしても人間よりも長い寿命を持つ、口数の少ない頑丈すぎるドワーフのアイゼン

ハイターとアイゼンが2人で「キャッキャ」と追いかけっこをしていたシーンがとても好きです。

現パーティー「フリーレン・フェルン・シュタルク」

現在フリーレンのパーティーにいるフェルンシュタルクもいいキャラしております。

フェルンはハイターの弟子。
フリーレンのお母さん的ポジションでありながら、シュタルク相手には年相応の女の子。

シュタルクはアイゼンの弟子。
鈍いようで実は空気が読める、できる男の子。

みんな大好き、デンケンおじいちゃん

キャラクターを語りだすと終わらなくなってしまうので、勇者パーティ関連のみにとどめておきたかったのですが…なんといってもデンケンおじいちゃんでしょう。

デンケンおじいちゃんは勇者パーティ関連ではありませんが、どうしても好きなのでお名前だけ出しちゃいました。

彼は誰よりも強い魔法使いでありながら、魔力が切れても拳に訴える根性を持ち合わせています。
人間味あふれる強いおじいちゃんだからこそ、惹かれるのでしょう。

全員とてもいい味だしています

魔族と感情と言葉

会話はできるけど無意味。
感情を知っているけど理解はできない。

人間の情に付け込んだ「オカアサン」には、ものすごく魔族らしさを感じます。

人を欺くための言葉は使えどそこに感情は皆無。

備わっている本能に従っているだけであり、そこには悪意も罪悪感も慈悲もない。

言葉は意味として通じるけれど心がない、相容れない種族。
共存など無理な脅威なので、討伐の対象となり勇者が誕生するのですね。

ところが、感情を理解して人間と共存したいというマハトのような魔族も存在します。
だけど魔族なので、どのようにしても理解ができない。

わかるために人間と親しくなり、そのあと処分すればいいという思考がもう魔族
とはいえ、きっとマハトには、思うところがあったはずです。

マハト編は終わりましたが、マハトの話「黄金郷編」はすごく人気があります。

欲しすぎる!日常で使える魔法

攻撃や防御、妨害、回復といったおなじみの魔法だけでなく、日常で使える魔法がたくさんあります。

  • カビを消滅させる魔法
  • しつこい油汚れを取る魔法
  • 服の汚れをきれいさっぱり落とす魔法

その他もろもろの超便利すぎる魔法。

欲しすぎる

きっとこの世界には、登場しきらないほどの魔法が存在するはずです。
あなたは、どんな魔法が欲しいですか?

「最強の魔法使い」なのに万能ではない世界

魔法使い同士であればやりようはあるけれど、いくら強い魔法使いでも前衛がいないことには喧嘩ができないと。

そのために戦士などの役職もあって、そうですよね。
ゲームとかでもタンクや物理アタッカーがいてこその魔法使い

その上でも、普段のふわっとした雰囲気で忘れそうになりますが、フリーレンは強いのです。

試験で一度、どれだけ強いのかがわかる描写がありました。

それを踏まえると、フェルンはゆくゆくどれだけの魔法使いになるのでしょう

シュールに流れゆく原作の雰囲気はそのまま
声優さんも、どのキャラクターも違和感なくマッチしているのではないかと思います。

漫画だと単調に感じられた戦闘シーンですが、動きがついたことと魔法に色がついたことで戦闘シーンに派手さが追加されました。
作画も良いのでかっこいいです。

漫画を読んでいて、先の展開を知っていても楽しめます

ちょっと吹き出しちゃったり泣いちゃったりなんかもできます。

現在は待望の2期が配信されましたが、屈指の人気を誇るマハトの「黄金郷編」までは届きませんでした。

しかし、3期の配信も決定しているので、すでに待ち遠しいですね。

  • あまり派手さがない
    魔法を使って戦いますが、やや単調に見えるかもしれません。

物語を重視する方にはぴったりですが、躍動感のあるバトルを楽しみたい方は、クオリティが凄まじいアニメ版から入るのがおすすめです。

  • 魔族の性格が悪い
    人間を欺くための「言葉」を使う魔族の狡猾さに、無理…。と感じる方もいるようです。

個人的には、その相容れなさが、敵対するに十分な理由(本能)が描かれていると思っています。

  • 旅を通じて感情と記憶が深まる物語
  • すべてが納得できる設定

RPGだとかのその後、みたいな設定が新しい気がして読み始めた漫画ですが、すっかりハマりました。

「サンデーうぇぶり」で漫画を追えます。

だからこそ、一気読みするとより理解がしやすい

完結したら、また最初から一気に読みたい作品です。

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