【この記事でわかること】
- うしおととらの魅力と気になる点
- どのくらい泣けるのか
※重大なネタバレはしません。
バトル×感情ドラマの長編少年漫画、それが「うしおととら」です。
人間と妖怪、本来なら相容れない立場である彼らが絆を深めていく各エピソードは、涙なしには読めません。
設定や展開が複雑な漫画が多い昨今ですが、ストレートな感動を味わえる作品です。
【漫画】
| 作者 | 藤田和日郎 |
| ジャンル | 妖怪バトル ダークファンタジー |
| 連載(1990年6号~1996年45号) | 週刊少年サンデー |
| 単行本 | 全33巻+外伝1巻 |
【アニメ】
| 1期 | 2015年7月~12月 |
| 2期 | 2016年4月~6月 |
| 話数 | 39話 |
| 配信 | DMM TV dアニメストア U-NEXT ABEMAプレミアム Hulu |

私は昔、何を思ったのか全巻+外伝を古本屋に売りました。
十数年後、途方もない後悔の末に、買い直しました。
運命の出会いと絆【あらすじ】
「獣の槍」で500年間封印されていた大妖怪と出会った蒼月潮(アオツキ ウシオ)は、その妖怪の封印を解く。
“うしお”は、その風貌から大妖怪を“とら”と呼び、行動をともにすることになる。
反発し合いながらも、次第にお互いを認め、絆を深めていく2人。
やがて物語は、すべての因縁が収束する“白面の者”との最終決戦へと向かう。
『うしおととら 外伝』紫暮と須磨子
若かりし頃のうしおの両親、紫暮(シグレ)と須磨子(スマコ)の馴れ初めを読める。
「ぢぃぱむっていうんですって」がずっと頭から離れない。
▶【関連記事】藤田和日郎先生の次作、1人の男の執着が生み出した混沌…漫画「からくりサーカス」のネタバレなし感想はこちら。
王道漫画は好き?合う人・合わない人
★こんな人に合うかも!
- 王道少年漫画が好き
- 相容れない種族と絆が深まっていく物語が好き
- 心に響く感動を味わいたい
★こんな人には合わないかも…
- 王道な熱い展開が好きじゃない
- 感情表現が濃い作品は苦手
- スタイリッシュな絵柄が好み
化粧がはがれる!読みながら泣きすぎた話
本作は笑える要素を含みながらも、ものすごく泣ける。
それはもう化粧がはげ落ちるくらい。
意外なキャラクターの意外な言葉や、キャラクターたちの関係性が深く刺さります。
「泣かせる」ための描写ではなく、自然と心に響いてきます。
特に個人的に感じたのは、とらの名言が多い。
ぶっきらぼうなとらが急に見せる優しさや、相手を思いやったセリフ。
胸と涙腺にズドンときます。
もうダム決壊です。
サトリの話もそうですが、最終章はもう、まともに読めないくらいに泣きました。
ボロボロ涙が出てくるのでセリフを読めないんです。
ハンカチじゃ足りないので、フェイスタオルを用意しておいた方がいいかもしれません。
33巻というボリュームですが、読み始めたら止まりません。
昨今の漫画に比べるとセリフが多すぎるとか、設定が複雑ということがないので、最後まで疲労感なく読み切ることができました。
30年以上経った今でも泣ける!『うしおととら』の6つの魅力
うしおととらは「キャラクターが紡ぐ絆」の物語。
旅を通じて出会う、たくさんの人間や妖怪。
本来なら相容れない種族同士が、“信頼と絆”を積み上げていくのです。
人間と妖怪の“信頼と絆”が物語を作り上げる
うしおが旅の中で出会う、人間や妖怪たち。
そこには、意味のないキャラクターは1人も存在しません。
ひとつひとつの出会いとエピソードが丁寧に描かれ、誰もが強い印象を残します。
そうして、積み重ねられた「信頼と絆」こそが、物語に必要な鍵なのです。
出会ってそこで終わりではありません。
あの時出会った“あの人”や“あの妖怪”が再度集い、一つの物語が完成します。
まっすぐすぎて推せる主人公“うしお”
曲がったことが大嫌いで嘘をつかない。
まっすぐで正義感の強い主人公らしい主人公、うしお。
運動部に助っ人を頼まれるほどの運動神経を持ち合わせていますが、絵を描くことが大好きなので、所属しているのは美術部。
だが、絵心は1ミリもない。
明るくムードメーカーで、誰かのために自分を犠牲にすることもいとわない。
そんなかっこよさも持ち合わせているからか、あらゆる女子から好意を寄せられる天然タラシ。
たくさんの出会いを経て、成長していく姿も見どころです。
他の作品では主人公じゃないキャラクターが推しになりがちな私ですが、うしおは例外です。
推しです。
他の主人公にはない、何かをもっています。
凶悪なのに愛おしすぎる相棒“とら”
凶悪な大妖怪と云われていたとら。
しかし、500年の月日によって変わり果てた現代に戸惑うばかり。
テレビに喧嘩を売る。
車に喧嘩を売る。
その都度ものが壊れるので、うしおからお叱りを受けます。
人間を食べるなと言われた代わりに真由子にもらった、とら風に言うと「ハンバッカ(ハンバーガー)」が好物。
真由子はとらのために随所で大量にハンバーガーを買ってきますが、いくらかけてるんでしょうね。
うしおと関わり、色んなことを知る中で、優しさや可愛さを見せるようになります。
読めば読むほど愛おしいのです…。
そもそもですが、とらのデザインが素晴らしいです。
かっこよくもあり、可愛くもあるこの絶妙なビジュアルは唯一無二。
何度でも涙腺ダムが決壊!丁寧な心理描写
『うしおととら』は、キャラクターそれぞれの濃いエピソードが描かれます。
キャラクターの表情やセリフなど、丁寧に描かれているので感情が揺さぶられます。
心臓が締め付けられるエピソードがたくさん盛り込まれていますが、「ここ泣くところ!」というスタンスではないのです。
読んでいて感情の深いところを抉るような、自然に涙を誘う描き方です。
特に印象に残っているのは、サトリの話です。
とんでもなく泣きました。
うしおが初めて嘘をつく話なのですが、その経緯があまりにも切なくて、心臓がギュウっとなります。
1人の少年を救いたいサトリ。
それを理解した上で葛藤するうしお。
少年の心を守るための優しい嘘。
うしおの心情がひしひしと伝わってくるので、辛すぎる…。
それから、なんといっても最終章でしょう。
反発し合いながらも最高のパートナーである、うしおととら。
そんな2人が交わす言葉に信頼と絆が溢れている。
33巻を畳みきる!圧巻の伏線回収
藤田先生は、広げた風呂敷を畳むのがすごくうまいです。
33巻分の話がありながらも、中だるみはほぼなくテンポが良い。
全てに勢いがあるので、一気に読みたくなります。
一気に読んだからかもしれませんが、「これ誰だっけ」ってなるキャラクターがほぼいませんでした。
1巻から最終巻までで無駄な話が1つもない。
そして、この全てが繋がって、まとまるんです。
バトル漫画の枠を超えた感情ドラマ
「信頼と絆」を積み上げ、そして「信念」を貫く強さ。
出会った時は敵だったキャラクターにも、それぞれの背景があります。
闘いを通じて心を通わせ、信頼と絆を築いていく。
うしおの信念の強さが、彼らの心を動かします。
こうして積み上げられた“すべて”が終結する最終決戦で、“奇跡”を生む。
本作はバトル漫画でありながら、“感情ドラマ”でもあるのです。
好みが分かれるかも?気になる点
- 絵柄
力強い独特なタッチが“苦手”な方もいますので、好みが分かれそうです。
※個人的には、世界観とマッチしていると思っているので、むしろこの絵じゃないとうしおととらだと思えません。
- 巻数が多い
全33巻+外伝1巻なので、少し手が出しづらいかもしれません。
※ですが、完結済みなので、途中で終わることなく安心して読み進められます。
『うしおととら』まとめ
「うしおととら」は何度読んでも飽きず、一気に読める永久保存版に違いない漫画です。
読むたびに、また読みたくなる魅力を秘めています。
主人公のうしおをはじめ、キャラクター全員が主要級。
誰か1人は推しができるし、感情移入も止まりません。
一度は全巻売ってしまった本作ですが、買い直して大正解でした。
この漫画は、手元に残しておきたい“宝物”だったんです。
うしおととらは、今読んでも心に響く少年漫画の傑作だと思っています。
▼深い感情や固い絆が結ばれる物語が好きな方に、こちらもおすすめです。




