昔、全巻売って後悔した末に買い直した経験を持つマツリカが、『うしおととら』をネタバレなしでまとめました。
- 33巻あっても飽きない魅力
- なぜこんなに泣けるのか
- 信念を貫く熱さ…自分には合う?
人間×妖怪の信頼と絆が凝縮された最高の物語を見届けましょう。
うしおととらはどんな漫画?
バトル×感情ドラマの長編少年漫画、それが「うしおととら」です。
人間と妖怪、本来なら相容れない立場である彼らが絆を深め、やがて世界の運命を左右する闘いへ向かう物語。
30年以上前の作品ですが、今読んでも全く色褪せません。
設定や展開が複雑な漫画が多い昨今だからこそ、この作品のストレートな感動を味わってほしいです。
基本情報
【漫画】
| 作者 | 藤田和日郎 |
| ジャンル | 妖怪バトル ダークファンタジー |
| 連載(1990年6号~1996年45号) | 週刊少年サンデー |
| 単行本 | 全33巻+外伝1巻 |
【アニメ】
| 1期 | 2015年7月~12月 |
| 2期 | 2016年4月~6月 |

私は昔、何を思ったのか全巻+外伝を古本屋に売りました。
途方もない後悔の末に、買い直しました。
▶【関連記事】藤田和日郎先生の次作、1人の男の執着が生み出した混沌…漫画「からくりサーカス」のネタバレなし感想はこちら。
『うしおととら』あらすじ
「獣の槍」で500年間封印されていた大妖怪と出会った蒼月潮(アオツキ ウシオ)は、その妖怪の封印を解く。
“うしお”は、その風貌から大妖怪を“とら”と呼び、行動をともにすることになる。
反発し合いながらも、次第にお互いを認め、絆を深めていく2人。
やがて物語は、すべての因縁が収束する“白面の者”との最終決戦へと向かう。
外伝:紫暮と須磨子
若かりし頃のうしおの両親、紫暮(シグレ)と須磨子(スマコ)の馴れ初めを読める。
「ぢぃぱむっていうんですって」がずっと頭から離れない。
うしおととら「魅力」
うしおととらは「キャラクターが紡ぐ絆」の物語。
旅を通じて出会う、たくさんの人間や妖怪。
本来なら相容れない種族同士が、“信頼と絆”を積み上げていくのです。
人間と妖怪の“信頼と絆”が物語を動かす
うしおが旅の中で出会う、人間や妖怪たち。
そこには、意味のないキャラクターは1人も存在しません。
ひとつひとつの出会いとエピソードが丁寧に描かれ、誰もが強い印象を残していきます。
そして積み重ねられた「信頼と絆」こそが、“うしおととら”という壮大な物語に重要なパズルのピースなのです。
出会ってそこで終わりではなく、あの時出会った“あの人”や“あの妖怪”が再度集い、一つの物語が完成します。
主人公“うしお”の真っすぐな正義感
主人公らしい主人公です。
曲がったことが大嫌いで嘘をつけない。
まっすぐで正義感が強い男子です。
運動神経が良く、運動部によく助っ人を頼まれる。
本人は絵が大好きなので美術部に所属しているが、絵心は1ミリもない。
明るくムードメーカーで、誰かのために自分を犠牲にすることもいとわない。
そんなかっこよさも持ち合わせているからか、あらゆる女子から好意を寄せられる天然タラシ。
たくさんの出会いを経て、成長していく姿も見どころです。
他の作品では主人公じゃないキャラクターが推しになりがちな私ですが、うしおは例外です。
推しです。
他の主人公にはない、何かをもっています。
凶悪なのに愛おしい唯一無二の相棒“とら”
凶悪な大妖怪と云われていたとら。
しかし500年の月日によって変わり果てた現代に戸惑うばかり。
テレビに喧嘩を売って破壊。
車に喧嘩を売って破壊。
知らないとはいえ物損なので、その都度うしおからお叱りを受けます。
人間を食べるなと言われた代わりに真由子にもらった、とら風に言うと「ハンバッカ(ハンバーガー)」が好物。
真由子はとらのために随所で大量にハンバーガーを買ってきますが、いくらかけてるんでしょうね。
うしおと関わり、色んなことを知る中で、優しさや可愛さを見せるようになります。
読めば読むほど愛おしいのです…。
そもそもですが、とらのデザインが素晴らしいです。
かっこよくもあり、可愛くもあるこの絶妙なビジュアルは唯一無二。
名エピソードが“心”を積み重ねる
「うしおととら」は、キャラクターそれぞれの濃いエピソードが描かれます。
サトリの話はかなりきました。
うしおが初めて嘘をつく話なのですが、嘘をつかなければならなかった経緯があまりにも切なくて、心臓がギュウっとなります。
少年を救いたいサトリと、それを理解した上で葛藤するうしお。
1人の少年の心を守るための、優しい嘘。
うしおの心情がひしひしと伝わってくるので、辛い。
これだけでなく何度も泣かされますが、なんといっても最終章でしょう。
反発し合いながらも最高のパートナーである、うしおととら。
そんな2人が交わす言葉に信頼と絆が溢れている。
33巻を畳みきる伏線回収力
藤田先生は広げた風呂敷を畳むのがすごくうまいです。
33巻分の話がありながらも、中だるみはほぼなくテンポが良い。
全てに勢いがあるので一気に読みたくなります。
「これ誰だっけ」ってなるキャラクターもほぼいないような気がします。
1巻から最終巻までで無駄な話が1つもない。
全て繋がってまとまるんです。
うしおととら「テーマ」
「信頼と絆」を積み上げ、そして「信念」を貫く強さ。
うしおととらは、ただのバトル漫画ではありません。
出会った時は敵だったキャラクターにも背景があります。
闘いを通じて心を通わせ、信頼と絆を築いていく。
うしおの信念の強さが、彼らの心を動かします。
こうして積み上げられたすべてが終結する最終決戦で、“奇跡”を生む。
本作はバトル漫画でありながら、“感情ドラマ”でもあるのです。
好みが分かれるかも?気になる点
- 絵柄
力強い独特なタッチが“苦手”な方もいますので、好みが分かれそうです。
※個人的には、世界観とマッチしていると思っているので、むしろこの絵じゃないとうしおととらだと思えません。
- 巻数が多い
全33巻+外伝1巻なので、少し手が出しづらいかもしれません。
※ですが、完結済みなので、途中で終わることなく安心して読み進められます。
何度読んでも涙腺ダムが決壊…読んで感じた本音
本作は笑える要素を含みながらも、ものすごく泣ける。
それはもう化粧がはげ落ちるくらい。
いわゆる「ここ泣くところだよ」というスタンスではなく、自然に涙を誘います。
意外なキャラクターの意外な言葉や、キャラクターたちの関係性が深く刺さります。
特に個人的に感じたのは、とらの名言が多い。
ぶっきらぼうなとらが急に見せる優しさや、相手を思いやったセリフ。
胸と涙腺にズドンときます。
もうダム決壊です。
特に最終章はまともに読めないくらいに泣きました。
ハンカチじゃ足りないので、フェイスタオルを用意しておいた方がいいかもしれません。
33巻というボリュームですが、読み始めたら止まりません。
昨今の漫画に比べるとセリフが多すぎるとか、設定が複雑ということがないので、最後まで疲労感なく読み切ることができました。
王道漫画は好き?合う人・合わない人
★こんな人に合うかも!
- 王道少年漫画が好き
- 相容れない種族と絆が深まっていく物語が好き
- 心に響く感動を味わいたい
★こんな人には合わないかも…
- 王道な熱い展開が好きじゃない
- 感情表現が濃い作品は苦手
- スタイリッシュな絵柄が好み
うしおととらを読み終えて
「うしおととら」は何度読んでも飽きず、一気に読める永久保存版に違いない漫画です。
読むたびに、また読みたくなる魅力を秘めています。
主人公のうしおをはじめ、キャラクター全員が主要級なので誰か1人は推しができるし感情移入も止まらない。
うしおととらは、今読んでも心に響く少年漫画の傑作だと思っています。



