はじめちゃんが一番!はどんな漫画?【あらすじ・ネタバレなし・感想】アイドル×家族×恋愛が交差する名作

はじめちゃんが一番!(レビュー)|アイキャッチ画像 漫画・アニメ

「はじめちゃんが一番!はおもしろい?」
「今読んでも楽しめる?」
「どんな少女漫画?」

そんな疑問に、たくみくんに恋して勝手に振られたマツリカが、ネタバレなしでお答えします!

  • あらすじとテーマ
  • コメディとシリアスがバランスよく詰まった本作の魅力
  • 番外編ではなんの話が読めるの?
  • 自分に合う?合わない?

これらをまとめました。
はじめちゃんと一緒に、芸能界の裏側を見に行きましょう。

アイドル×家族×恋愛が入り混じる、ヘビー級少女漫画

「はじめちゃんが一番!」は、アイドルに詳しくなくても楽しめる。
ドラマ性がぎゅっと詰まった「こどものおもちゃ」並みに衝撃的な作品です。

基本情報

作者渡辺多恵子
ジャンル少女漫画
連載(1989年1月号~1995年7月号)別冊少女コミック
単行本/文庫版全15巻/全10巻

【自分に合う?合わない?】

★シリアスとコメディのバランスがとれた作品が好きな方におすすめ

★強気な主人公が苦手な方にはやや不向きかも

マツリカ
マツリカ

芸能界×重い×コメディは平成初期にも存在しました。
1度読んでからすっかり虜になり、ふとまた読みたくなる不思議な作品です。

岡野家のしっかり者の長女、はじめは、育ち盛りの5つ子の弟たちを抱えて家事に明け暮れる日々。

そんな中、弟たちがTVCMに出演したことをきっかけに、芸能界プロダクションにスカウトされ『A.A.O(エイエイオー)』という名のアイドルグループとして芸能界デビューを果たす。

30年以上も前に連載された本作ですが、ただ恋愛を描くだけの少女漫画ではありません。
大家族の実情や芸能界の裏側も描かれる、リアリティ溢れる作品です。

岡野はじめの魅力

父母+長女+5つ子の弟たちという大家族。
アイドルデビューを果たす弟たちが輝いてみえてきますが、主人公は”はじめちゃん”です。

自身が2歳の時に弟たちが産まれ、多忙な両親に代わって、家事や世話で大変な毎日を送るはじめちゃん。
時に殴り、時に怒鳴りつけることもありますが、弟たちとの絆は強固。

そんなはじめちゃんだから、幸せになってもらいたくなります。

弟たちも姉想いのいい子たちで、あたたかいエピソードが多いです。

弟たちは全員アイドルデビューするほどの整った容姿
はじめちゃんはソバカスと剛毛がコンプレックスという地味目な女の子。

でも顔は姉なだけあって、ちゃんと可愛いのです。
コミックスの表紙のはじめちゃん、すごく可愛いですものね。

作中では”絶妙にダサく見せる”作者さんの表現力、ほんとすごいです。

3人の重要キャラクター

芸能界入りした弟たちの先輩、WE(ウイ)の和田瑞希(ワダ ミズキ)と江藤亮(エトウ アキラ)。

この、瑞希
巷では人気が高いようですが、個人的には好きになれません。
融通の利かないワガママな俺様成分を含み、ぽっと出の女に惚れた挙句にはじめちゃんを都合よく利用してるようにしか見えない。

しかし、そういうキャラクターがいてこそ物語が動くのも事実。

そして、
最初の方は不思議キャラクターでしたが、後半に進むにつれキャラが激変する重要人物
なかなか読めない瑞希信者です。

さらに、乃亜(ノア)
はじめちゃんの先輩で、どのキャラクターよりも圧倒的に登場話数が少ないです。
しかし、かなり重要なポジションにいる強烈なキャラクターです。

ストーリーの特徴

ドタバタコメディに深く重い話など、「こどものおもちゃ」とちょっと似たような部分があります。

基本、はじめちゃん視点でストーリーが展開されます。
そして随所に5つ子それぞれのストーリーも挟まれ、全部楽しく読めます。

結末はご想像にお任せします的な、5人の恋愛模様なんかも描かれます。

他、亮や瑞希、乃亜の話も入ります。

乃亜は、ほぼ終盤に登場するのですが、「ここからでしょ」っていう時に怒涛の猛展開で完結してしまいます。
怒涛すぎて、せめてもう1冊分くらいじっくり描いてほしかった感があります。

番外編で読めるお話

亮と瑞希の出会いや、その他いくつかの短編が盛り込まれている“番外編”が発売されました。
番外編では、はじめちゃんが一番!本編の“おまけ的続編”も読むことができるのです。

「はじめちゃんが一番!」

「合格!」

で、締めくくられた本編。

後日譚にあたる、初デートのお話が掲載されています。
その後も気になっていたので、嬉しい限りです。

いくつかの短編ももちろん楽しめましたが、最後の最後に1番楽しみにしていたデートの話。

…みじけぇ!

「無償の愛とアイデンティティの確率」

主人公のはじめちゃんは5つ子たちのため、自分の青春をすべて捧げています。

はじめちゃんは現代でいう「ヤングケアラー」ですが、過酷な環境におかれながらも「義務」ではなく、「愛」をもって弟たちを守ろうとするのです。

家族のために自分を後回しにする、そんな「無償の愛」の尊さと危うさが描かれます。

物語が進むにつれ、「姉」や「マネージャー」としてだけではなく、「岡野はじめ」としてどう生きたいかという問いに直面します。

恋を通じて、誰かのためではなく、自分の幸せを願うことの“許可”を自分に出していく過程がとてもドラマチックに描かれます。

5つ子である弟たちや瑞希、亮、乃亜もそれぞれ「個」を認めてほしいという願いが心の奥底にあります。

「いかにして自分を確立するのか」という、キャラクターの成長物語でもあると思っています。

  • 終盤が怒涛過ぎる
    テンポよく読ませてくれましたが、最後だけは詰め込みすぎ感が否めません。

そこばっかりは残念だなと思った部分ではありますが、個人的に物語自体はキレイに締めくくられたので、満足しています。

  • はじめちゃんの性格で好みが分かれるかも
    はじめちゃんを好きになれるかなれないか…世間では好みがかなり分かれるようです。

コンプレックスのソバカスや剛毛、そしてたくさんの弟たち。
おかれた環境と容姿にネガティブな思考を持ちながらも、かなり強気な性格なので、好みが分かれるのも納得ではあります。

個人的には、年相応な振る舞いであるようにも感じますし、泣いてばかりの主人公は好きではないので、はじめちゃんは好きです。

物心ついた頃、すでに我が家の本棚にあった母の漫画です。

小学高学年に上がった頃、初めて読みました。

当時は深くまで理解はしていませんでしたが、随所に挟まれる5つ子のエピソードが好きでした。

私は本作の“ミスター反抗期”こと、たくみくんに惚れました。
しかし、5つ子エピソード、たくみのターンで見事に私が失恋です。

これまでのパターンから、わかっていましたが…年上の女性とは…さすが、ミスター反抗期です。

初めて読んで以来、定期的に読みたくなる時期がきます。

そのたびに読み、話を理解できるようになりました。

コミカルに描かれながらも、シリアスな時はとことんシリアスです。

中でも、江藤亮は最高に印象が悪い登場を果たしますが、読んでいくうちに彼の“闇”が見えてきます。
作中で最も重い背景を持つキャラクターです。

あんなにハッキリ悪態をつく男が幼い子どものようになり、そんな彼が救われるまでの過程は読んでいて結構心苦しかったです。

世間での評判が分かれがちなはじめちゃんですが、やっぱり私は彼女が好きです。
大変な環境とコンプレックスを抱えながらも、人一倍愛情深いお姉さんだと思います。

岡野家の5つ子ちゃんですが、次男のかずやだけはA型で、あとはみんなO型。
ちなみに、はじめちゃんはA型。

それぞれ個性がありますが、四男たくみと五男なおとは一卵性。

なおとはたくみにちょっとした劣等感を抱いています。

こうした関係性も作中でしっかりと描かれるので、ぜひチェックしてみてください。

★こんな人に合うかも!

  • リアリティのある漫画が好き
  • 大家族の話が好き
  • アイドルとの恋愛ものが好き

★こんな人には合わないかも…

  • 無理矢理終わらせるような完結は嫌
  • 古い描写についていけない
  • 強気すぎるヒロインは無理

最終巻だけ詰め詰めなのが残念ですが、全体的には大満足です。

恋愛要素は王道っぽいような気もしますが、アイドルの裏側や重たい話など、思っていたよりもヘビーで読み応えがあります。

古い作品ではありますが、今読んでも楽しめます。

昭和~平成初期の少女漫画が好きな人、読んだことがない人も一度読んでみてほしいです。
忘れた頃にまた読む、そんなループができあがる漫画です。


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